初代インサイト(ZE1)を今、なぜ買ったのか?この問いに対する答えは、ただ一言では語れない深い愛着や理由がたくさんあります。2000年代初頭、ホンダが世界初の量産ハイブリッド車として市場に投入したこのモデルは、その先進的な技術と独特のデザインで、自動車愛好家の間で今なお語り継がれています。時代を超越したその燃費性能と、軽量でコンパクトなボディは、現代でも多くの魅力を保持しています。さらに、初代インサイトは、単なる移動手段ではなく、日々のドライブを楽しむことや、燃費の良さなど、今購入する理由がそこにはあります。では、なぜ今、私がこの「燃費レーサー」を手に入れたのか、その理由を書いていきます。
インサイト誕生の経緯と特徴
ここからはどうしてこのような車が誕生したのか、調べられる範囲でまとめたので書いてみます。
1997年、世界初の量産ハイブリッド自動車としてトヨタ・プリウスが誕生。これに2年遅れて登場したのがホンダ初のハイブリッドカー、インサイトです。インサイトの元になったのは1997年に東京モーターショーで発表された「J-VX」です。
この初代インサイトは初代プリウスのリッター28(10:15モード)を超えるため、ハイブリッドシステムはもちろん、それ以外の部分も徹底的に作りこまれた車となりました。大きく3つの特徴があります。
①アルミボディを採用し軽量化
フードやフェンダーにアルミを使用した車は数多くありますが、車体の大部分がアルミでできている国産車はほとんどありません。インサイトはそんなアルミボディ車体を採用した数少ない国産車です。同時期に製造されていた初代NSXもアルミボディですが、インサイトではバンパーなどには樹脂を使用しており、アルミの比率はNSXよりは低めです。とはいえこの徹底的な軽量化により、車重はMT車で820kg、CVT車でも850kgと、重いバッテリーを積みながら軽自動車並みの重量になっています。
②徹底的な空力性能の向上
インサイトの最大の特徴と言えばこの独特なフォルム。これは空力性能を徹底的に向上させた結果なのです。ぱっと見で一番特徴的なのは後輪に付けられたカバーですね。スパッツとも呼ばれますが、これによりホイール周りに風が入りにくくなり空力性能が向上します。これ以外にも随所に空力を上げる工夫が施されており、フロントバンパーからリアの形状に至るまで、すべて空力を向上させるために設計されています。その結果、当時の量産車としては非常に優れた値となるCd値0.25を達成しています。Cd値は少なければ少ないほど空気抵抗が小さいということになります。ちなみに初代プリウスのCd値は0.30でしたが、2015年に登場した4代目ZVW50型では5人乗りながら0.24と、初代インサイトを上回る数値をたたき出しています。
ただ空力を追い求めた結果、プリウスのような4ドアセダンではなく2シーターのクーペになりました。これがインサイトが売れなかった大きな理由の1つとされています。
③ハイブリッドシステムとリーンバーンエンジン
そしてやはり低燃費のキーとなるのがハイブリッドシステム。インサイトに搭載されているハイブリッドは「IMAシステム」という名前で、広義のパラレルハイブリッドに分類されます。IMAシステムは停止時(アイドリングストップ時)以外はエンジンが稼働しており、あくまでも電気モーターは補助動力として使われます。減速時に発生したエネルギーを回生、バッテリーに蓄電し、加速時にその電力を使いエンジンをアシストするという、最も基本的なハイブリッドシステムといった感じです。
エンジンは3気筒1.0リッターでVTEC機構を採用したリーンバーンエンジンであるECA型。主に軽自動車に採用されたE型エンジンの仲間ですが、E型エンジンの中では唯一1000ccで普通車に採用されています。リーンバーンエンジンは通常のエンジンより薄い空燃比で燃焼するエンジンで、低燃費であることが特徴です。ただ窒素酸化物(NOx)が通常のエンジンより多く発生するため、排ガス規制が強まると共に衰退し、現在ではほとんど見かけなくなりました。
このIMAシステムの厄介な点として、12Vバッテリーへの給電がIMAバッテリーからのみ、という点があります。つまり、IMAバッテリーがダメになると12Vバッテリーに給電がされなくなり、車が止まってしまうのです。それからエンジンをかけるとき、普通の車ではセルモーターが回りエンジンが掛かるのですが、この車はIMAバッテリーの電力でエンジンを掛けます。セルモーターが搭載されてはいるのですが、IMAバッテリーが正常なうちは一切使わないので、IMAがダメになったときにセルモーターが回らない・・・ということがあるようです。
インサイトあれこれ
製造費の方が高い?
初代インサイトの新車価格は218万円(マニュアル車は210万円)。当時の1000ccの2シーターにしては高価で、同じ時期に発売されていたS15シルビアのSスペック(197万円)より高価です。しかしこれでも製造コストより安いと言われており、売れば売るほど赤字だったと言われています。製造コストが高いのにはいくつも理由がありますが、やはり最も大きいのは少量生産だったことでしょう。前期型はさておき、中期後期は年間100~200台ほどしか製造されていなかったわけですから、当然コストは上がってしまいます。あとはアルミボディやハイブリッドなど、いくらでも製造コストが上がる要素があるのに218万円というのはどう考えても製造費を回収できていないと思われます。
最後の5ナンバークーペ
実は初代インサイト、今のところ5ナンバークーペとしては最後に発売された車で、国産車ではこれ以降5ナンバーのクーペは発売されていません。ほぼ同時期にS15シルビアも発売されていますが、インサイトの方がやや後に発売されています。21世紀に入ってからは車体の大型化が進み、多くの車が3ナンバー規格となりました。あと純粋にクーペスタイルの車種が大幅に減少したというのもあります。
ほとんど売れず、発売終了
そんないくつもの革新的技術が用いられ、次世代のエコカーとしてデビューしたインサイトでしたが、2シーターで実用性に難があったり、そもそもホンダがあまり売ろうとしていなかったこともあり、販売台数は伸び悩みました。初年度こそ1000台以上が生産されましたが、その後は年間100~200台程度。普通、こんなに売れない車は早々に発売終了となりますが、それでも2006年まで7年間も販売を継続したのは、絶対に燃費でプリウスに負けたくないという意識があったのかな・・・と思います。プリウスは2003年に2代目のNHW20になりましたが、こちらの10:15モード燃費が35.5リッター。一方、同時期にマイナーチェンジしたインサイトはリッター36と、結局最後まで燃費トップの座を守り抜きました。
一方、アメリカ市場では約1.4万台が販売されました。日本市場のおよそ6倍の台数が売れたということになります。まあアメリカの人口は日本の3倍なので単純比較はできませんが、アメリカではプリウスよりも先に発売され、税額控除の対象になったこともあり、結構売れたようです。アメリカといえば大きい車というイメージがありますが、そういう車だけでなく小さい車を買いたいという需要があるようです。意外ですね。
そして初代の販売終了から3年後、4ドア5人乗りの二代目インサイト(ZE2)が発売されました。初代の燃費モンスターから一変。実用性重視になりました。ただリアのテールライトや、リアの窓形状などは初代の面影も残っています。5人乗りということでまさにプリウスと直接競合。燃費ではプリウスに劣りますが、価格面でプリウスより優位に立ち、一時は初めてプリウスを抜いてハイブリッド車の登録台数1位まで上り詰めました。初代とは異なりかなりの台数が売れ、今でもよく目にすることができます。
その2代目インサイトも2014年に発売終了。その4年後には3代目インサイトが登場します。初代からはかけ離れた3ナンバーの大型車体で、価格も300万オーバーというまさに高級セダンに変わりました。もはや初代の面影はどこにもありません。唯一共通しているのはハイブリッドシステムですが、3代目ではIMAシステムではなくe:HEVとなりました。その3代目も2代目ほどは売れず(もちろん初代よりは売れてますけども・・・)2022年に発売終了。2024年現在ではインサイトという名前の車は発売されていません。
初代インサイトの現状
1999年にデビューし、2006年に製造終了したインサイトは、初期車だと25年、一番最後に製造されたグループでも18年前と、すでに「ネオクラシック」に仲間入りしています。しかもただでさえ部品が出にくいことで有名なホンダ車、さらに国内で2000台あまりしか売れていない希少車ともなれば、維持をしていくのはかなり大変だということは想像に難くありません。ご想像の通り純正部品の多くは廃盤になっており出ないと思われます。ただ、初代インサイトは唯一無二の車。特にハイブリッド車では貴重なMTの設定があるということで、マニュアル車の状態がいい車は100万円以上で販売されるなど、一部からは需要があるのもまた事実です。
この車の一番の肝で、10年に1度くらいは壊れ、壊れたら修理に相当な費用が掛かるIMAバッテリーですが、こちらも純正部品を手に入れるのは相当難しいでしょう。しかしインサイトでエコカーレースに参戦し、全国各地からインサイトが集まる店「ヴィークルストーリー」(茨城県鹿嶋市)ではトヨタのプリウスやアクアに使用されていたバッテリーから、インサイト用のリビルト品バッテリーを制作しています。このトヨタのバッテリーはホンダ純正品より長持ちするようで、これに交換することにより当面の間はバッテリーを気にしなくても済みそうです。
問題となってくるのはバッテリー以外。まず初代インサイトで一番問題になるのが雨漏りです。初代インサイトは雨漏りしやすく、今では恐らくほとんどの車がどこかしら雨漏りしていると言っても過言ではないでしょう。それからドアのアクチュエーター。これもほどんどの車が悪くなっており、勝手に鍵が掛かってしまいます。なので車を降りるときは短時間でも必ず鍵を持って降りないと、インキーしてしまう可能性があるということですね・・・。それからリアゲートのオープナー?が壊れることがよくあるようです。こちらも部品が出ないようなので壊れたら直すのはかなり難しそうです。あとはオイル漏れ。これも古い車ではよくあることですが、オイルパンなどの部品がもう出ず、修理するのはなかなか難しそうです。
2024年現在、中古車はだいたい常時10台前後は出ています。価格は安くて30万程度から上は200万円ほどまで。MT車の方が高い傾向にあります。販売された台数としてはMTよりCVTの方が多いはずですが、現在出ている中古車はだいたい半々くらいで、ややMTの方が多いかなという印象です。やはりインサイトが好きで持っている方は多くがMT車を選ぶのでしょう。CVT車はあまりプレミア価値がつくこともなく、状態があんまり良くなければそこらへんの中古車屋に出した時点で解体されてしまいそうです。特にインサイトにこだわりがない普通のオーナーさんはもうほとんど残っていないかもしれません。ただ前述の通り唯一無二の車で、好きで乗っている人が多くいるのもまた事実ですので、ホンダさんは最低限動ける状態を維持できるくらいのパーツを出してほしいところではありますが・・・。
製造年による差異
初代インサイトは1999年から2006年の7年間にわたって製造されました。見た目や基本的な部分は7年間でほとんど変化がありませんが、製造年により微妙に異なる点があります。こちらもネット上に情報が少なく、調べられる範囲で頑張って調べましたが、違う点があるかもしれません。ご了承ください。

引用:ホンダ公式サイト(https://www.honda.co.jp/recall/auto/campaign/121109_civic_hybrid.html)
これがホンダの公式サイトにあった、約10年前のサービスキャンペーンのお知らせですが、そこにインサイトの車台番号と製造台数の一覧がありました。全体の製造台数は2373台となっていますが・・・

引用:ホンダグローバルサイト(アーカイブ:Way back machine)
こちらの公式資料によると販売台数は2340台となっています。33台の誤差があります。また、日本版Wikipediaのページには「日本仕様車の販売は1600台」と書かれていますが、出典が不明で本当かどうかは不明です。もしかしたら「新車の販売は1600台」で、誤差の700台あまりは全国のディーラーに試乗車として送られたり、撮影やテスト用に使用され、「新車」としては市場に出回らなかったものという可能性はあるかなと思います。この700台は多分中古車(新古車)として販売されたものと思われますが、中には海外に売却されたりした車もあるかもしれません。なおアメリカでは表の通り14000台以上が販売されています。一方ヨーロッパ市場では392台と日本市場よりもさらに少ない台数しか販売されていません。
前期

前期型は1999年~2001年8月頃まで、車台番号はZE1-1000000番台から1150000番台までが該当します。カラーは5色構成で、このうちシトラスイエローとアクアマリンブルーの2色は中期以降では廃止されました。また、この2色は車内のインテリアも車体色に合わせた仕様となっています。それ以外の色に関してもシートの色は中期以降と異なります。ブラックは中期以降もありますが、色味が変わっており、後期以降はツヤがあまりない色となっています。
1000000番台は1999年~2000年5月、初期に生産されたロットで、全体の半分以上となる1400台あまりが製造されました。1番から23番までの番号は欠番になっており、これはテストなどに使用された車ではないかと思われます。型式はHN-ZE1で、この型式はこのグループだけです。
1100000番台は2000年5月~10月に製造されたグループです。このグループから型式はYA-ZE1となります。カラーバリエーション、インテリアは1000000番台と共通と思われます。人によってはこのグループから中期と呼んでいる人もいます。このグループからECUが変更になっていると思われますが、1150000番台から変更になっている可能性もあります。詳細不明です。初期のECUはIMAバッテリーがダメになりやすいといううわさもあるので気になるところですね。
1150000番台は2000年11月~2000年8月に製造されたグループです。カラバリやインテリアは同じと思われます。型式はYA-ZE1。1100000番台から何が変わったのかは不明です。
中期

1200000番台~1350000番台が該当します。この中期は本当に細かい仕様変更が多く、調べ切れていない部分がありそうです。恐らくこのグループからカラーバリエーションが変更となり、シトラスイエローとアクアマリンブルーが消滅しました。また、黒がカンタムグレーからベルリナブラックに変更されています。そして新色としてグランプリホワイトとロイヤルネイビーが追加されています。
1200000番台は2001年9月~2003年10月に製造されたグループです。このグループがなかなか謎で、前期にはないホワイトの車の存在を確認していますが、一方でインテリアは前期のものと同様のデザインです。確認できたのは1台のみなので、もしかしたら塗り替えしたのかもしれませんが、一方で前期のカラバリの車は1台も確認できていないので、このタイミングでカラーバリエーションが後期のものに変わったと思われます。
1300000番台は2003年11月~2004年2月に製造されたグループですが、このグループは僅か14台と非常に数が少ないグループです。このグループから後期と同じ、ベージュ色のインテリアに変更されています。また、このグループからナンバープレート左右のフロアに整流板が追加されています(恐らくこの番台からだと思います・・・)。また、タイヤ空気圧の指定が高くなっています。
1350000番台は2004年3月~4月に製造されたグループで、こちらも僅か19台と非常に数が少ないです。このグループから型式がAAA-ZE1に変更されています。このグループが高根沢工場で製造された最後のグループとなり、これ以降は鈴鹿工場で製造されていると思われます。
後期
2000000番台、2100000番台が該当します。後期車はこれまで製造していた高根沢工場が閉鎖されたのに伴い、鈴鹿工場で製造されています。鈴鹿工場で製造された日本向けZE1は240台あまりで貴重です。最終型ということで特にMT車はプレミアが付いており、状態の良い車は現在200万円近くの値段で販売されていることもあります。2000000番台と2100000番台がありますが、差異はよくわかりません。中期型との差異はMT車のみ床下のアンダーカバーが装着されるようになりました。また、ECUも中期型から変更になっているようです。このアンダーカバーの装着と微調整の影響で10:15モード燃費はリッター35kmからリッター36kmに向上しています。なおCVT車はアンダーカバーの装着もなく、カタログ燃費も変わりません。また、後期のみにある装備としてヘッドライトレベライザーがあります。それからオプションなども変更になっており、コーナーセンサーなどがオプションに追加されていますが、装着している車は本当に珍しいと思われます。
そしてインサイトを買ったお話
2024年11月、初代インサイトを購入しました。
購入したインサイトは、最終年式である2006年式のCVT車。色はシルバーです。2006年式のインサイトは恐らく100台未満しか製造されておらず(2005/9~2006/6の間に121台製造)、色については妥協です。シルバーも悪くないのですが本当は後期型なら白か紺色が良かったな・・・と思いました。本当は前期のシトラスイエローが良いのですが、まず色より年式を優先しました。MTではなくCVTにしたのは、純粋に私がMT苦手というだけです。免許は当然AT限定ではないですし仕事でMTのトラックを運転することもあるのですが、やはりクラッチの操作が大変なので、MTはあまり運転したくないというのが正直なところです(苦笑)。
中古車は常時10台程度しか出ていない車ですので、当然家の近くで手に入りません。結局、関東まで行って購入しました。茨城県にインサイトにとても詳しく、交換用のIMAバッテリーを自作して販売しているお店があり、そこにインサイトが何台も集まってくるのでそこで購入しました。
私は子供のころは車が好きで、その中でも特にインサイトが好きでした。なぜか珍車が好きだったんですよね。でも中学生、高校生になると一時的に車からは離れていました。で、その後免許を取って買った車は、こちらも好きな車の1つだったL880Kコペン。しかし買ってすぐに故障したこともあり、3年ほどで手放しました。次に買った車は新しくて壊れにくいを条件に探し、3年落ちのDJ系デミオを140万円で購入。静かで燃費が良く、非の打ちどころがほとんどない車だと思うのですが、とても多く売れている車であり、街で本当によく見かける車ということもあり、何か物足りなさを感じていました。そのデミオにも5年乗り、車は8年落ち、走行距離は12万キロ弱となり、そろそろ次の車が欲しくなっていました。そこで昔を思い出したのです。
私は鉄道も好きなのですが、鉄道だと子供のころに乗りたかった列車や車両が大人になると無くなっており、結局乗れず・・・ということが往々にしてあります。しかし車はどうでしょうか。車は販売終了になっても、中古車で買うことができます。10年後でも20年後でも。維持ができるかは別の話ですが、少なくとも子供のころ欲しかった車は、手段や状態を選ばなければいつでも乗ることができるのです。
・・・というわけで憧れのインサイトを購入。
インサイトの外観

こちらがインサイトです。独特な形をしていますよね。これ、空力を突き詰めた結果ということです。特に後部タイヤが隠れているのが特徴的。国産車では他に類を見ない見た目をしています。車高は普通の車に比べればかなり低いですが、車高を下げなければ底を頻繁に擦るような低さではありません。ただ乗り込む時にかなり体を下げて潜り込まなければいけません。それからドアが左右に長いので、隣との間隔が狭いと出入りに苦労します。
インサイトのインテリア

車内のインテリアは白色がベースです。前期と中期・後期で内装が違っており、今回購入したのは後期型ですのでこの白い内装です。前期型は車の色によって座席カラーが異なります。座席はとても硬く、長時間の乗車はなかなか厳しそうです。

メーター周りはこの時代にしては珍しいデジタルディスプレイを採用しています。
実際の走りなど
音
インサイトのエンジン始動
— はるつばめ (@Shindensha) December 15, 2024
25年前に発売したとは思えない近未来感がある。セルモーター回らないんですよ。ハイブリッドバッテリーからエンジンを回します。 pic.twitter.com/CVpdG9WLlJ
実際運転してみると、意外と静かだなという印象を受けました。アクセルをそれなりに踏んでもエンジンの音はほとんどせず、スーッと加速していくイメージです。ただロードノイズは大きいように感じます。やはり最近の車と比較するとあんまり静かではないんですが、この車が出た当時は静かな方の部類に入る車だったのだろうと思います。あとうるさいのはドアの開閉音。これは何というか、一昔前の軽トラみたいな軽い音です。恐らく極限まで軽量化した結果なのだと思います。ゴムテープを取り付けたりしてみましたが、あまり効果はなさそうです。
加速やハンドリングなど
前述の通り、重さが軽く、なおかつモーターアシストがありますのでかなり加速は良いと思います。ただハンドリングの安定性は良くないと感じました。インサイトはサスペンションがかなり悪く、それでちょっとした段差でも大きな衝撃があったり、コーナリングで安定性が悪いという感じがありました。また、コーナリングに関しては前輪より後輪の方が内側に付いているというちょっと特殊な構造も影響しているのではないかと思いました。
燃費など

私は主に一般的に郊外と言われる道を主に走っていますので、燃費は他の人よりは良いのかなと思います。一か月弱、主に通勤で乗りましたが、燃費計ではリッター25kmくらいでした。満タン法では24くらいでした。マニュアルなら30近く行きそうですね。およそ25年前に発売されたとは思えない燃費です。
瞬間燃費メーターなどを見る限り、この車のアクセルオフ時の挙動はかなり変わっています。エンジンが温まっていないときはアクセルオフしてもほとんどエンジンブレーキがなく、惰性でもほぼ速度が落ちません。この時の瞬間燃費は最大ではなく50km/ℓくらいの表示なので、アクセルオフかつそれなりの速度でもエンジンが回っているようです。謎ですね。エンジンが温まった後は基本的に強力な回生ブレーキが掛かり、アクセルを切るとあっという間に減速します。そして10km/h前後まで落ちた時に少しでもブレーキを踏んでいるとアイドリングストップになります。ただ30~40km/hくらいでアクセルオフした時に、回生ブレーキが作動せず、エンジンが回り続けている時が結構あります。こうなる条件は謎で、気まぐれで回生ブレーキのオンオフが決まっている感じがするので結構運転が難しいです。前に乗っていたデミオでは適当な運転をしてもそこそこ燃費が伸びる感じがありましたが、インサイトの場合かなり繊細なアクセルワークが求められる印象です。
ちょっとだけ改造


フロントウィンカーを除いたすべての灯火類をLEDに交換。フロントのウインカーはフェンダーを外さないと交換できないような感じだったのでそこだけ交換が難しそうでした。ヘッドライトも交換するのがかなり難しかったのですが、なんとか交換できました。これで夜もかなり明るくなりました。

アンテナを棒アンテナからシャークフィンアンテナに交換しました。もともとアンテナの調子が悪かったのですがこれでしばらくは気にしなくてもよさそうです。
事故に遭った話
2024年の12月、信号待ちの停車中に後ろから追突され、バンパーなどが大きく壊れてしまいました。幸い動力系に影響はありませんでしたが、バンパーがリアタイヤに当たってしまい、自走できなくなってしまいました。もちろん、バンパーなどは部品が出なかったので、出ない部品に関してはこの車を購入したインサイトに詳しいお店に連絡し、何とかそろえてもらいました。

リアスパッツはなぜか新品が出たので新品です。他の部分とは微妙に色が違います。

リアのバンパー一色は部品取り車から取って、再塗装となりました。事故の前よりきれいになって帰ってきました。
保存されているインサイト

インサイトは製造台数が少ないながら、ホンダのマイルストーン的な車ということもあり、ホンダが運営している栃木県にある博物館、ホンダコレクションホールにも展示されています。展示されているのは前期型のシトラスイエロー。当たり前ですが状態は良いです。隣にはホンダ初のFCEV車、ホンダFCVが展示してあります。
これ以外にもなんとトヨタ博物館にも収蔵されており、時期によっては初代プリウスと並んで展示されています。トヨタのリスペクトを感じます。ちなみにトヨタ博物館に展示されているのは後期型(2004年式)のシルバーです。
まとめ・・・ 今買うべき車?
初代インサイトは発売から26年、生産が終了してから19年になりました。部品もほとんど出ず、状態が良い車もほとんどなくなりました。それでも好きで乗っている人が一定数いる車ではありますが、いずれは維持することも難しくなっていくのかもしれません。そういう意味で今がこの車に乗るラストチャンスであると思います。子供のころから乗りたい車だったので、そういうタイミングでなんとか良い個体に出会えたのは幸運だったと思います。
もし、これを見てインサイトを買うか検討している方は、是非今がラストチャンスだと思って購入されることをオススメします。もうインサイトに乗れる機会はないかもしれませんのでね・・・。

